厚生労働省からの通達で状況が好転。公立保育施設で使用済みおむつの持ち帰りは大幅に減少。
2024.03.21 / BABY JOB株式会社
~一方で、私立保育施設へ補助をしている市区町村は1割にとどまる~
BABY JOB株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長 上野公嗣)が運営する「保育園からおむつの持ち帰りをなくす会」は、公立保育施設がある全国1,427の市区町村の保育課に対して、公立保育施設で使用済みおむつを保護者に持ち帰らせているかを電話調査しました。
2023年1月23日、加藤勝信前厚生労働大臣から各市区町村に「園内でおむつを処分することを推奨する」通達が出されたこともあり、2023年4月からの1年間で296の市町村がおむつを持ち帰らせるルールを廃止したことが分かりました。また、調査を開始した2022年の持ち帰り率39.4%から7.9%まで大幅減少する結果となっています。保育施設から使用済みのおむつを持ち帰ることは、保護者や保育士の負担につながるため、早急に園内でおむつを廃棄するルールに変更し、地域による子育て格差をなくしていくことが望まれます。
【調査概要】
調査名:第3回 公立保育施設における使用済みおむつの持ち帰り状況に関する全国調査
調査対象:公立保育施設がある全国47都道府県 計1,427市区町村の保育課
調査期間:2024年1月15日~2月29日
調査方法:電話による聞き取り調査
【調査結果 トピックス】
これまで、3回の調査による現状の可視化と、厚生労働大臣への署名と要望書の提出を行ってまいりました。その結果、年々使用済みおむつを持ち帰らせている市町村が減少するなどの成果が得られています。
<成果>
①おむつの持ち帰りをさせている市町村が約300減少
②2022年時におむつの持ち帰り率が1位だった滋賀県は、いまでは持ち帰りゼロに
③113の市町村が「2024年4月時点ではおむつは持ち帰り」と回答したが、そのうち約半数が今後おむつ持ち帰りをやめる予定・検討中だと回答。
<課題>
①私立保育施設に対しておむつの廃棄費用の補助をしている市町村は1割にとどまる
〈成果1〉おむつの持ち帰りをさせている市町村が約300減少
昨年の2023年調査では、おむつの持ち帰りをさせている市町村の減少数は167でしたが、今年は296市町村も減少しています。厚生労働省が2023年1月に通達を出したこともあり、1年間での減少数がおよそ2倍に増加しています。
〈成果2〉2022年時におむつの持ち帰り率が1位だった滋賀県は、いまでは持ち帰りゼロに
2022年に実施したおむつの持ち帰り状況の調査では、持ち帰りをさせている市町村率が一番高いのは滋賀県という結果でした。しかし今回の2024年調査では、滋賀県内にあるすべての市区町村でおむつの持ち帰りをさせておらず、急速に改善されたことが分かります。
〈成果3〉113の市町村が「2024年4月時点ではおむつは持ち帰り」と回答したが、そのうち約半数が今後おむつ持ち帰りをやめる予定・検討中だと回答。
今回の調査で使用済みおむつを保護者に持ち帰らせていると回答した市町村に対し、今後園でおむつを処分する予定があるかを確認したところ、「変更予定・検討中・今後検討予定」と回答したのは50市町村(44.2%)であり、およそ半数に上りました。また、昨年「園廃棄に変更する予定はない」と回答した市町村は64ありましたが、今年は14まで減少しています。これらの結果から、「おむつの持ち帰り」をしている市町村が今後さらに減少する可能性が高いと考えられます。
未だ保護者におむつを持ち帰りをさせている理由としては、「子どもの体調管理」が45.1%で最も多く、次いで「ずっとそうしてきた」25.7%、「ごみ保管・回収の手配が難しい」20.4%、「予算がつなない」16.8%が挙げられました。
〈課題1〉私立保育施設に対しておむつの廃棄費用の補助をしている市町村は1割にとどまる
市区町村内の私立保育施設に使用済みおむつの廃棄費用を補助しているか調査したところ、補助をしている市区町村はわずか186(15.7%)であることが分かりました。
今回の調査を昨対比でみると大きな改善がみられますが、私立保育施設へ廃棄費用の補助をしている市区町村がまだまだ少ないため、全ての保育施設で園内処理に移行することはまだ困難な状況であることが明らかになりました。
【調査結果 詳細】
市区町村のおむつ持ち帰り状況をリストでお渡し可能です。
(お渡し可能なデータ)
‐地域や都道府県など要望に応じた一部地域の市区町村の持ち帰り状況、公立保育施設数
‐昨年調査をした市区町村での経年比較
【使用済み紙おむつの持ち帰りに関する有識者のコメント】
・ライター 髙崎 順子氏
フランスの子育て支援策を紹介する『フランスはどう少子化を克服したか』を出版。日本の使用済み紙おむつ持ち帰りに驚き、2017年に使用済紙おむつの持ち帰りについてTwitterで問題提起を行い、論争を巻き起こした、持ち帰り問題の第一人者。
「加藤厚労大臣の通知により、全国の公立保育園における使用済みおむつの園内廃棄率が顕著に改善した。国民の声が団体や議員を介して行政に届き、子育て環境が迅速に改善される前例ができたことはとても喜ばしい。この改善を全国にくまなく広げるには、保管場所や廃棄物の回収頻度を自力で改善することが難しい小規模私立園への公的支援が欠かせない。通う園によって児童・保育士・保護者の衛生環境や負担に不公平が生じることのないよう、継続的な実態把握とさらなる対策が必要だ。」
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【保育園からおむつの持ち帰りをなくす会の活動内容】
使用済みおむつの持ち帰り状況が地域ごとに異なることを可視化し、子育て支援の地域格差について提言してきました。他にも、オンライン署名サイトにて16,000人以上の署名を集め、2022年9月22日に加藤勝信厚生労働大臣に署名及び要望書の提出をしています。
・2021年10月:関東圏と関西圏のおむつ持ち帰り状況
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000038762.html
・2022年3月:第1回 2022年4月時点の全国のおむつ持ち帰り状況
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000026.000038762.html
・2023年3月:第2回 2023年4月時点の全国のおむつ持ち帰り状況
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000081.000038762.html
BABY JOB株式会社は、すべての人が子育てを楽しいと思える社会を目指し、「保育園からおむつの持ち帰りをなくす会」を立ち上げて活動しています。
【保育園からおむつの持ち帰りをなくす会について】
名称:保育園からおむつの持ち帰りをなくす会
活動内容:「保育園からおむつを持ち帰っている問題」を無くすため、国や市区町村へ働きかけを行う
設立:2021年6月1日
HP:https://no-mochikaeri.org/
署名URL:https://chng.it/fwZN4g56hc
【BABY JOB株式会社について】
保育施設向けの紙おむつの定額制サービス「手ぶら登園」などを中心に、子育てに関する社会課題の解決に取り組む会社です。
【会社概要】
名称:BABY JOB(ベビージョブ)株式会社
事業内容:保育所サポート事業、子育て支援事業
所在地:大阪府大阪市淀川区西中島6丁目7番8号
設立:2018年10月1日
資本金:1億円
HP:https://baby-job.co.jp/
手ぶら登園サービス公式Webサイト:https://tebura-touen.com/
【本件に関する報道関係者からのお問合せ先】
BABY JOB株式会社
広報担当:東(あずま)
E-mail:n.azuma@baby-job.com
Tel:080-3563-5351